安定の公務員辞めてエンジニアに転職した理由

少し前の記事ですが、日経新聞にこんな記事がありました。

この記事を見たとき、僕はまさに公務員退職の2週間前でした。29歳。ギリギリ20代だったので若手ではないですが、働く意欲を失った公務員ではありました。

今回は公務員を辞めた理由、エンジニアに転職した理由について記事にします。

・公務員に就職しようと思っている人
・転職を考えている人

まずこれだけは言いたい・・公務員を否定したいわけじゃないです

特に就活中の方に言いたいのですが、この記事は公務員を否定する記事じゃないです。

仕事内容にやりがいを感じて、ちゃんと公務員を選んでいる人は問題なしです。

至極当たり前の話ですが、これが中々できない。給料とかワークライフバランスに目が行きがちです。

僕が公務員を選んだ理由

・安定しているから
・売り上げの概念がなく仕事が楽だから
・アフター5が楽しめるホワイト企業だから
はい、まったく仕事内容に目を向けていません。
行政職でしたので、「いろんな分野のことができたらいいな」くらいにしか思っていませんでした。
そして、「安定・楽・アフター5」がすべて幻想だと分かったとき、公務員を続ける理由はもう残っていませんでした。
仕事選びは仕事内容をみて決めよう。ワークライフバランスにこだわるのはその次に。
仕事選びは人生の中で最も重要な選択です。当時の僕のように不純な理由で選択して良いものじゃない。遅ればせながらですが、以下の書籍を読んで、人生について考えました。オススメです。
・マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法
・人生は20代で決まる TEDの名スピーカーが贈る「仕事・結婚・将来設計」講義
  

公務員業界の現状 安定しているのは組織だけ

「公務員は安定している」

これはある意味で正解なのですが、不正解でもあります。正しく表現すると以下のとおり。

官公庁が潰れることは考えにくいので、嫌なことがあっても我慢して組織にしがみつけば公務員は安定している
嫌な言い方ですが、公務員は潰しがききません。
民間企業に評価されるスキルもつきにくいので、歳をとればとるほど組織を辞めればただの人になってしまいます。
安定しているのは組織であって公務員のあなたではない。
そこに気づかないままダラダラしちゃうと、組織にしがみつくか、特段の武器もないまま辞める事態になってしまいます。
本当に当たり前の話ですが、公務員の仕事が好きじゃないとやっていけません。

公務員業界に潜む3つの罠

僕のように甘い幻想だけで公務員になった人が陥る罠を紹介します。(ただし何度も言いますが、公務員の仕事が好きな人なら別に耐えられる話なので、気にする必要はありません。)



業界の罠〜公務員の人数は半分になる〜

総務省の2040年構想を知っていますか?そこには以下のように書かれています。

従来の半分の職員でも自治体が本来担うべき機能を発揮できる仕組みが必要。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000562116.pdf

AIやロボティクスの技術で事務仕事はオートメーション化して、公務員の数は半分にしましょうという話が書かれています。

当然、公務員の数が絶対に半分になる保証はないですが、人口が減りコンパクトシティ化は間違いなく進んでいきますから、公務員が余るのは絶対と言ってもいいです。

公務員が余ったときに国がどうするかは不明です。不要な組織を独立行政法人化して見かけ上だけ公務員を減らすか、あるいは受給ギャップが広がる介護人材として、公務員を活用するかもしれませんね。

公務員が将来どうなるかは不明ですが、公務員数が減っていく以上、衰退産業であるということは言えそうです。

配属の罠

公務員の仕事を希望している人は、具体的にどんな仕事をしてみたいですか。

私は自治体で人材採用の仕事をしていましたが、経験上、一番希望者が多かったのは観光や経済・産業振興です。

ですが、そのような仕事ができる職員は一握りで、多くの職員は上記以外の仕事に従事します。

若手職員に多いのは区役所での窓口業務。

驚くべきことですが、企画力を発揮したいはずの就活生が、決してオリジナリティを発揮してはNGな戸籍・保険・年金などの部署に5年ほど拘束されるのです。
私は運よく採用や観光のような比較的キラキラした部署に配属されましたが、人事には抗えません。
窓口、ケースワーカー、スズメバチ駆除、火葬場・・・。職員が担当しうるすべての仕事をあなたが担当する可能性があります。
あとは残業ですね。
最近は公務員のアフター5なんて幻想、というのは有名になりました。

上司の罠

いわゆる上司ガチャですね。これは公務員に限らず民間企業にもあるでしょう。

私がいた自治体にも、パワハラで若手職員を退職にまで追い込んだモンスター上司がいました。

ここで言いたいのは、潰しのきかない公務員が上司ガチャで鬼畜な上司を引いてしまうと、けっこう詰む危険性がありますよ、ということです。

例えば民間企業で営業スキルを学んだ人は、上司が嫌だったら会社を変えれば済む話ですが、公務員では組織にしがみつくか意を決して転職市場に飛び込むかの選択を強いられるわけです。

公務員は5年以内のスパンで部署を異動しますから、少なからずダメ上司にあたることにはなるでしょう。

潰しがきかない以上、ダメ上司の部下になっても公務員の仕事を続けたいと思えるメンタリティーは絶対必要です。

以上の理由で僕は転職を決意します

公務員は安定じゃない。
いつモンスター上司、嫌な仕事に遭遇するか分からない。
スキルなし若さなしで公務員辞めたら人生詰み。
これに気づいたのが29歳のとき(遅い・・)。
必死にAWSの勉強をして、エンジニアとして働くために転職活動に奔走しました。




エンジニアに転職してみて

仕事は好きになれそう。でも向き不向きがある

エンジニアを選んだのは仕事内容が好きになれそうだったからです。もともと誰かと遊ぶより自分だけの世界を持っているタイプだったので、技術を追い求めるのはそれほど苦じゃないかなと今は思っています。

ですが公務員の紙社会とは真逆の、技術革新目まぐるしい世界ですから、思っている以上の自己研鑽が必須です。

公務員時代は休みの時間を趣味に使っていましたが、エンジニアになった今は勉強する時間が必要です。体感的には土日どちらかは勉強に費やしている、という感じですかね。

正直、この勉強の日々が苦で公務員に転職したという人も大勢います。向き不向きはありそうですね。

働く場所・時間からの解放

2020年4月にコロナ渦で緊急事態宣言が出て以降、僕は2回しか会社に行っていません。IT業界ですからPCがあれば仕事はできますし、フレックスタイムなので、やるべきことをやれば文句は言われない世界です(僕は技術力がまだまだなのでアレですが・・)。

苦痛だった早起き、スーツ、満員電車から解放され、夏の暑い日にマスクをすることもなくパジャマのまま仕事をしています。

潰しはきく。でもそれはスキルがあればの話

エンジニアとしてのスキルがあれば転職にも困らないでしょう。

しかしずっとエンジニアとして稼げるのか、不安はあります。

技術力を担保しないと市場価値は下がりますから、一抹の不安はあるわけです。

もう一度結論。仕事は仕事内容をみて決めよう

冒頭で紹介した書籍「マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法」とも関連しますが、仕事選びはとても重要です。

仕事は人生の大部分を占める要素ですから、どの仕事をやるのが自分に一番合っているか、見極める必要がありそうです。

僕のように不純な理由で公務員を目指している方、よく考えましょう。

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